HTMLはデザイン用文書ではありません。

べ:
…あれ? ねえ、おねーさん。ちょっといい?

お:
どうしたの、べるたん?

べ:
このWebページなんだけどさ…ほら、これ見てよ。
なんかぐちゃぐちゃで、すごく見づらいんだけど…これって、パソコンの調子が悪いせい?

お:
んー…ああ、これはそうじゃないわね。多分、デザインに凝ろうとして失敗したんでしょうけど。

べ:
…失敗?

お:
そうよ。Webページを作ってるときにはけっこう忘れやすいんだけど、いろんな人がいるインターネットでは、見る側の環境もいろいろあってね。そのせいで、作った人の予想とは全然違う形で見えることがあるの。

べ:
でも、WebページってHTML言語っていうので作るんだよね? で、HTML言語っていうのは、どのブラウザで見ても同じように見えるって聞いたんだけど…

お:
それは『同じように』の程度問題ね。
つまり、内容は同じなんだけど、デザインは崩れやすいのよ。例えば…

きょうふのみそしる


きょう
ふのみそしる

お:
…は、どっちも『きょうふのみそしる』って書いてあることに違いはないけど、ぱっと見た感じは全然違うでしょう? ブラウザによって、こういう差はけっこう起こったりするの。

べ:
どうして、そんなことになるのさ?

お:
んー、理由はいくつかあるんだけど…まずブラウザによって少しずつ性能に違いがあること。
それから、使っているパソコンの性能の差もあるでしょうね。大画面のパソコンなら一画面で全部映るページでも、小型のノートパソコンじゃスクロールしないと映らなかったりもするし。

べ:
そうなんだ…

お:
だから、よく『このページはIEでのみ確認しています』とか『フレーム対応のブラウザでご覧ください』とかっていう注意書きのあるWebページがあるでしょ? あれは、そういう差を知った上で、『この環境なら、作った側の予想と近いように見えますよ』っていうことなの。

べ:
そんな意味があったの、あれ? 細かいことを気にしてるなー、って思ってたけど。

お:
場合によっては、細かい差ですまないこともあるからね。
例えば…ほら、写真があって、その上をクリックしたら、クリックした位置によって別のページが表示されるっていう経験、したことない?

べ:
クリックできる地図とか? うん、それなら見たことあるけど。

お:
あれなんか、見た目には格好いいかもしれないけど、テキストブラウザ(文字しか表示されないブラウザ。旧式のマシンの持ち主や、視覚障害のある人、とにかく軽いブラウザが好きな人などがしばしば使用している)だとまったく見えないからね。
まあ、『見える人だけ見てくれればいい』って割り切るのも一つの方法でしょうけど…多少は気を遣ってもいいんじゃないかって、おねーさんは思うの。

べ:
気を遣う、ってどんな風に?

お:
んー、アクセシビリティ・ガイドライン 1.0なんかに詳しいことは載ってるんだけど…基本的には文字だけでも情報が完全に伝わるようにする表を使うときには、正確なタグを使う文字の色や大きさに依存しないタグは正確に使い、デザインのためだけに本来の目的から離れた使い方をしないっていうあたりが大切かしらね。
もちろん、細かい点はいろいろあるんだけど…とりあえず、これくらいは最低限守った方がいいと思うの。

べ:
ふーん。でもさ、写真とかCGとか飾ってるページだと、『文字だけでも〜』って言っても無理なんじゃない?

お:
それはそうよ。だから、絶対に守れなんて言わないし、最初から割り切ってそういう配慮を完全に無視してページを作っても悪くはないでしょうね。特に個人のページなら、どんな風にしても(法やネチケットに触れなければ)問題ないんだし。
…ただ、おねーさんとしては、そういう点に気を遣うのも悪くないと思うんだけどね。

べ:
インターネットもバリアフリーの時代ってこと?

お:
まあ、そんなところかもね。