パスワードは誰にも知らせないものです。

べ:
…ねー、おねーさん。

お:
どうしたの、べるたん?

べ:
今度、会員制のページに入会しようと思うんだけど、パスワードを決めろって言われたんだ。何かいいパスワードってないかな?

お:
べるたん…パスワードを他人に聞いてどうするの。いい、パスワードっていうのは誰にも知られちゃいけないものなのよ。

べ:
それは分かってるけどさ…でも、おねーさんなら信用できるかなーって。

お:
そう言ってくれるのは嬉しいけど、できれば家族でも明かさないくらいに気を遣っておいた方がいいわよ。実際、家族で同じパソコン、同じIDを使うのも止めた方がいい、って言う人もいるくらいなんだから…
ま、いいわ。パスワードを考えるヒントくらいは教えてあげる。

べ:
ありがとう、おねーさん。

お:
まず、自分の名前とか生年月日とか、そういう分かりやすいのは厳禁ね。それから、ちゃんとした単語を使うのも止めるべきだし。

べ:
ちゃんとした単語、って?

お:
普通の、意味のある言葉っていうことよ。
ていうのも、パスワードを破る方法の一つに『辞書攻撃』っていうのがあってね。辞書を使って、片っ端から単語を入力してみるって方法なんだけど、意味のある言葉をパスワードに使ってるとこれに弱いの。
だから、パスワードはできれば意味のない文字と数字の羅列が一番なんだけど…

べ:
…それじゃ覚えられないから相談してるんだってば。紙に書いておいたりするのもダメなんでしょ?

お:
そうね。だから、お勧めなのは自分にとって意味のある単語を適当に分解したものになるわけ。
…例えば、べるたんの好きな食べ物って何だっけ?

べ:
え? 焼きビーフンだけど…

お:
嫌いな食べ物は?

べ:
アボガド。

お:
…なんだか渋いわね、べるたん…
…まあ、ともかく、それをローマ字にして並べたら『yakibiihunnabogado』になるわけね。で、例えばこれを頭から二字飛ばしで拾っていくと…『yiinba』か。これならパスワード自体は意味のない文字だし、『焼きビーフン・アボガド・二字飛ばし』って覚えておけば忘れにくいでしょ?

べ:
あ、なるほど!

お:
できたら、これに数字とか混ぜるともっといいんだけど…まあ、こういう決め方もあるっていう参考くらいにはなるんじゃない?
ただし、これは単純な単語よりは少しマシだけど、絶対安全じゃないっていうのも忘れないで。『辞書から単語を引き出して一字飛ばしで並べる』とか『辞書から単語を引き出して逆さにする』とかいうプログラムも実在してるの。
本当に重要なパスワードは、完全にランダムなのが一番だからね。

べ:
うん、分かったよ、おねーさん。
…で、もう一つ聞いてもいいかな?

お:
別にいいけど、今度はなに?

べ:
さっきおねーさんが言ってたことなんだけどさ、家族で同じパソコンやIDを使うのも嫌う人がいるって、どういうこと?

お:
ああ、そのことね。
…だって、考えてみて、べるたん。使ってる人たちは『家族同士だから』っていうことで気にならないかもしれないけど、周りの人にはそうはいかないでしょ?

べ:
周りの人って?

お:
例えば、べるたんに誰かからメールが来たとして、それをおねーさんが読むかもしれないって思ったら、メールを送った人はいい気分がしないと思わない?
インスタントメッセンジャーでデートの約束をしようと思ったら、パソコンを使ってたのはお父さんだった…っていう笑えない話もあるしね。

べ:
うわ…それは、なんていうか悲惨だねー。

お:
まあ、だからって人数台だけパソコンを買え、なんて言えないから、『できれば』っていう話なんだけど。Windows2000とかなら、ユーザー分けできるからいいんだけどねー。

べ:
そうだね…あ、パスワードの話ってこれくらいかな?

お:
んー、そうでもないわよ。
あとパスワードで注意しなくちゃいけないのは、ソフトがパスワードを記憶してることがあるっていうこと。ほら、インターネットに接続するときって、いちいちIDとパスワードを入力するんじゃなくて、パソコンに覚えさせてるでしょ? こういうソフトをうっかり他人に使わせると、パスワードが盗まれる可能性も0じゃないからね。
プロバイダやNTTの職員を装った問い合わせにも注意しないといけないし、学校なんかでパスワード入力画面を後ろから覗かれたっていう話もあるし…パスワードっていうのは、神経質なくらいでちょうどいいのかもね。

べ:
なんていうか…気のめいる話だね。

お:
まあ、気持ちは分かるけど…パスワードを盗まれたら、その盗まれた人だけじゃなくて、それを利用して他の人にも迷惑がかかる可能性があるからね。自分のパスワードを守ることは、インターネットを利用する者の責任でもあるの。
大変かもしれないけど、パスワードの管理にはしっかり注意するようにね。

べ:
はーい。