NapsterやGnutellaは違法行為?

べ:
ねえ、おねーさん。Napsterっていうのについて教えてよ。

お:
ええ、いいわよ、べるたん。
じゃあ、まず、べるたんがNapsterについてどのくらい知ってるか教えてくれる?

べ:
うん。えっと…たしか、MP3形式の音楽ファイルを集めるためのソフトで、著作権法違反でレコード会社とかに訴えられてるんだっけ。

お:
んー…悪くはないけど、ちょっと勘違いしてるところがあるかもね。ていうのも、Napsterっていうのはファイルの交換と検索用のソフトなんだけど、これ自体は犯罪性のあるものじゃないの。

べ:
でも、ニュースで『Napsterが訴えられた』って言ってたよ?

お:
ええ、訴えられたのは本当よ。でも、はっきりと犯罪だって判定されたわけじゃないもの。
…たしか、判決は『著作権侵害となるファイルが交換できないような手段を講じるまで、Napsterの停止を命じる』ってことになったはずだけど。

べ:
えっと…ごめん、よくわかんない。

お:
んー、じゃあ、Napsterの仕組みから話していきましょうか。まず、Napsterっていうのは個人同士がファイルを交換するためのプログラムなんだけど、Napster社はその仲介をしてるだけなの。
…ちなみに、プログラムと会社が同じ名前っていうのもややこしいんだけど、基本的に会社の方は『Napster社』って呼ぶから。

べ:
…っていうと、つまり、Napster社がファイルを持ってるわけじゃない、ってこと?

お:
そういうこと。
Napsterを使ってるユーザーは、それぞれNapster社のサーバに『私はこんなファイルを持っています』っていうリストを差し出すの。で、他のユーザーはそのリストを見て『このファイルが欲しいな』と思ったら、Napster社のサーバに、そのリストがどのマシンのものかを聞く。Napster社のサーバはリストの持ち主のIPアドレスを教えて、あとはユーザーのマシン同士が接続してファイルをもらう、ってわけね。
つまりNapster社自体はファイルを直接取り扱っていないから著作権法違反とは断言できないの。海賊版CDを売ってる会社なんかとは、そこが決定的に違うのよ。

べ:
でも、けっきょく裁判所から停止を命令されたんだよね?

お:
まあ、直接扱ってないにせよ、仲介してたのは事実だしね。
2001年8月の時点では、まだどうなるのかはっきりしてないんだけど…Napster社は、著作権侵害のファイルを排除するようなフィルタを作ったうえで、有料サービスとして出直そうって考えてるみたい。

べ:
ふーん。

お:
…ちなみに、Napsterの代用品にGnutellaとかのソフトが幾つかあるけど、こういうのも似たような仕組みね。ただし、Gnutellaはリストを特定のサーバに集めないっていう点でNapsterより流動的なんだけど。

べ:
どういうこと?

お:
Napsterはさっき言ったように、リストをNapster社のサーバがまとめて管理してたの。だから、Napster社のサーバが動かなくなると何もできなくなるわけね。
Gnutellaなんかはそうじゃなくて、リストを伝言ゲームで渡していくの。Gnutellaを起動してるマシンは、他にGnutellaを起動してるマシンを見つけると、そこに自分のリストを渡す。リストを渡されたマシンは、リストを渡してきた相手以外のマシンにもそのリストを回す…っていうわけ。

べ:
…わかりにくいよ、おねーさん。

お:
んー…じゃあ、クラスの友達同士でマンガ本の貸しっこをしてる状況を考えてみて。
このとき、誰か一人代表者を決めて、その代表者が全員の持ってる本のリストを作って持ってるのがNapster。
それに対して、それぞれが自分の持ってる本のリストを紙に書いて、その紙を回してるのがGnutella。
…これなら、どう?

べ:
あー、ちょっとは分かりやすいかも。

お:
まあ、仕組み自体は詳しく知らなくても困らないから、それでいいけど。
大切なのは、NapsterもGnutellaも他の似たようなソフトも、それを使うこと自体は違法じゃないってこと。
例えば、Gnutellaで自分の書いた文章を友達に送ったって、何の問題もないしね。…ただし、現実問題として、違法なファイルのやり取りがひんぱんに行われてるのも事実なんだけど。

べ:
…つまり、自分がもらおうとしてるファイルが違法かどうかを考えて使え、っていうこと?

お:
まあ、そうなるでしょうね。けっきょく、使う人間次第でよくも悪くもなるってことよ。