MP3は配布しないで。

べ:
おねーさん、MP3ってなに?

お:
MP3? ああ、音楽ファイルの形式の一つよ。
…厳密に言えば圧縮技術のことなんだけど、まあ、そんなに細かいことを気にしないのなら『.mp3という拡張子を持つファイル形式で、音楽や音声のデータ』って考えておけばいいと思うけど。

べ:
ふーん。じゃあさ、なんでそれが裁判とか逮捕とかになるわけ?

お:
ああ、そんな事件もあったわね…って言っても、別にMP3自体が悪いわけじゃないんだけど。
ていうのも、MP3っていうのは今言ったみたいに音声データの形式なんだけど、WAVEファイルなんかに比べて一つ大きな特徴があってね。簡単に言うと、同じ音質でもずっとファイルサイズを小さくできるの。

べ:
そうなの?

お:
MP3とWAVEとで同じ音を録音したら、WAVE形式のファイルはMP3に比べて10倍以上になることが多いんじゃないかしら。要するに、MP3っていうのは『便利な音声データ』なわけ。
逆に言えば、『便利』なだけで『違法性のある』ものじゃないっていうことなんだけど。

べ:
でも、新聞やニュースで『MP3を配布していた人物が逮捕され…』とかって言ってるよ?

お:
それは『MP3』が原因じゃなくて『無断配布』が原因よ。それで捕まってる人のほとんどは、CDから録音した楽曲を無断で配布してる人なんだけど、これって著作権法違反だからね。
逮捕されたのはそっちが原因で、MP3自体に原因があるわけじゃないわ。

べ:
じゃあ、なんでMP3が有名になったの?

お:
便利だから、MP3をそういう違法行為に利用する人が多かったからよ。
MP3がなかった頃は、音楽を配布しようと思ったらWAVEファイルを使うのが普通だったし、それだと5分くらいの曲でも何十MBっていうサイズになるから、やりたくてもなかなかやれなかったの。ところが、MP3なら1曲数MBで済むんだから、以前よりずっと簡単に配布できるようになったのね。

べ:
ふーん。ていうことは、MP3自体は悪いものじゃないんだ?

お:
それはそうよ。
…ていうか、MP3が悪いものだったら、MP3プレイヤーとか市販されてないってば。

べ:
じゃあ、何をやったらいけなくて、何ならいいの?

お:
んー、まず、CDから録音してMP3ファイルを作っていいのは個人で利用する場合だけ。要するに、自分の持ってるCDでMP3ファイルを作って、自分のプレイヤーで再生する場合ね。
録音したMP3ファイルを友達にあげる、っていうだけでも確かアウトだから、注意しておいて。インターネットで配布するなんてのはもっての外だしね。

べ:
…ていうと、インターネット上にあるMP3ファイルはぜんぶダメってこと?

お:
さすがに、そこまでは言わないけど。新曲の試聴用に、とか、インディーズバンドが宣伝で、とかいった理由で許可を受けて配布されてるファイルなら問題ないしね。
…けっきょくのところ、MP3も普通のダビングと本質的には大差ないんだから、それが許可されてるコピーかどうか、っていうのが問題になるのよ。MP3かどうか、っていうのは大した問題じゃないの。

べ:
ふーん。MP3は悪い、って思ってたからちょっと意外だよ、ボク。

お:
いつの間にか、そういう誤解ができちゃってるからねー…困ったものだわ。