インターネットの基本的な仕組み

そもそもインターネットってなに?」の章でもお話ししたように、
インターネットは「ネットワークのネットワーク」です。

それぞれのネットワークには管理者がいますが、
それを統合した「ネットワークのネットワーク」を管理する者はどこにもいません。

では、例えば、
日本とアメリカとをつないでいるケーブルは誰のものなのでしょうか?

……これは、はっきりしています。

そのケーブルには持ち主がいますし、
それはおそらく、そのケーブルを含むネットワークの持ち主でもあるでしょう。

「じゃあ、私たちは他人のケーブルを使ってデータを送ったり受けたりしているの?」
——そう思われるのではないでしょうか?
そして、それはそのとおりなのです。

インターネットを流れるデータは、基本的に他人のネットワークを勝手に通っています。

それが、
「インターネットのボランティア精神」などと呼ばれるものの一つです。

前にお話ししたように、
インターネットは小さなネットワークの集合体です。

そして、そこを流れるデータは伝言ゲームのようにしてやり取りされています。

あなたのパソコンからの依頼を目的のコンピュータに届けるためには、
他のネットワークに属する、何の関係もないコンピュータにも伝言を頼まなければならないのです。

インターネットという「ネットワークのネットワーク」は、
全てのネットワークがこの伝言に無償で協力することを前提として成り立っています。

つまり、
インターネットを形作っている小さなネットワークたちは全て、
インターネットでデータを送れるようにボランティアで協力しているわけです。

こうした助け合い精神で成り立っていることも、
インターネットに統一的な管理者が生まれない原因となっているのかもしれません。

ある意味では、
「カンパ」や「募金」に近い形態とも言えるでしょう。

誰かのために募金を集めたとして、
その中のそれぞれの貨幣や紙幣一つ一つは、
突き詰めれば間違いなく誰か一人が出したものです。

ですが、
募金全体が誰からのものかと聞かれたら……
それは誰からでもなく、「皆から」としか言い様がないでしょう。

インターネットの管理者も、それと同じことです。

ネットワーク一つ一つの管理者はいても——
全体の管理者は、どこにも、いません。