固定IPと浮動IP

最後に、
皆さん自身のパソコンがどんな風にIPアドレスを割り当てられているのか、
見てみましょう。

今、ほとんどの人が会社や学校からインターネットに接続しているか、
あるいは自宅からプロバイダと契約して接続していることでしょう。

実は、この二つではIPアドレスの割り当てられ方が違っています。

まず、会社や学校からの接続ですが、
これはほとんどの場合プライベートIPを割り当てられています。

会社や学校の中で何台かのコンピュータだけが
インターネットと接続され(これらのコンピュータはグローバルIPを持っています)

皆さんの使っているパソコンは、
そのコンピュータに取り次いでもらってインターネットに接続していることになります。

一方、自宅からの場合には、
プロバイダによって四通りのパターンがあります。

「グローバルIPかプライベートIPか」
そして
「固定IPか浮動IPか」という区分が、
それです。

グローバルIPとプライベートIPの差については、
前に説明しました。

では、固定IPと浮動IPとはどう違うのでしょうか?

大抵のプロバイダは、
幾つかのIPアドレスを持って管理しています。

皆さんがプロバイダを通じてインターネットに接続する際には、
そのプロバイダの持っているIPアドレスの一つを借りて使っているのです。

このとき、
毎回借りるIPアドレスが決まっているのが「固定IP」、
毎回ランダムに選んで借りるのが「浮動IP」です。

一般に、プロバイダから借りるIPアドレスは浮動IP……
つまり毎回ランダムに選ばれます。

ただし、
プロバイダによっては追加料金を支払うことで
固定IPに切り替えることができる場合もあります。

固定IPだと、何が便利なのでしょうか?

IPアドレスが固定ということは、
インターネットからあなたのパソコンに(パソコンが接続状態にあれば)
常にデータをやり取りできるということです。

例えばあなたのパソコンから(サーバにアップロードすることなく!)
Webページを発信することもできますし、
メールサーバとして使うこともできるでしょう。

浮動IPでも
「今日の自分のIPアドレスは○○です」と伝えれば同じようなことができますが、
毎回接続するたびに伝えて回るのは現実的ではありません。

もっとも、
普通にメールをやり取りしたり、
Webページを見たりする分には浮動IPでも何ら不都合はありません。

Webページを置くスペースもプロバイダから借りられることが多いですし、
普通のユーザーにとっては固定IPにするメリットは特にないと言えるでしょう。

それどころか、
セキュリティに関する知識がないと固定IPは逆に危険な結果を呼びかねません。
(悪意のあるクラッカーも、あなたのパソコンの「住所」を知ることができるのですから……)

最近は固定IPを売り文句にしたプロバイダもありますが、
特にやりたいことがないなら、浮動IPのままで問題ないということです。

どちらかと言えば、グローバルIPかプライベートIPかの違いの方が重要になるかもしれません。
(プライベートIPでは、ネットワークゲームやソフトウェアの一部が使えないことがありますから)