ネームサーバの役割
前に、IPアドレスとドメイン名の関係を、
電話番号と回線名義に例えて説明しました。
ですが、いくら相手の名義を知っていても、
電話帳がなければ電話番号を調べることは不可能でしょう。
この「電話帳」の役割をインターネットで果たしているのが、
ネームサーバです。
(DNS、と呼ばれることもあります)
といっても、
インターネットに接続されているコンピュータは百万や二百万ではきかない数です。
これだけのIPアドレスが全て一冊の「電話帳」に載っていては、
時間がいくらあっても調べきれません。
そこでインターネットでは、無数のネームサーバが階層構造に配置されています。
「○○というドメイン名のIPアドレスを教えて欲しい」と問い合わせを受けたネームサーバは、
まず自分の持っている「電話帳」にその名前が載っているかどうかを調べます。
それで見つからなければ、
「ルートサーバ」と呼ばれる大本のネームサーバに問い合わせます。
ルートサーバの「電話帳」には、
トップレベルドメインを管理するネームサーバが載っていて、
ルートサーバはそのネームサーバのアドレスを教えてくれます。
次に、
トップレベルドメインを管理するネームサーバは、
セカンドレベルドメインを管理するネームサーバのアドレスを教えてくれます。
このように、
順に下がっていき、
最終的には求めるドメイン名の載った「電話帳」を持つネームサーバに行き当たるのです。
これでは少し分かりにくいでしょうから、実例を挙げてみます。
「www.ippo.ne.jp」というドメイン名を調べて、
自分の「電話帳」に載っていなかった場合、ネームサーバはまずルートサーバに質問をします。
ルートサーバは、
返事として「jp」を管理するネームサーバのアドレスを教えてくれます。
次に「jp」管理ネームサーバに問い合わせます。
「jp」管理ネームサーバの「電話帳」には、
「co.jp」管理ネームサーバや「ac.jp」管理ネームサーバなどのアドレスが載っているのですが、
その中から「ne.jp」管理ネームサーバのアドレスを探して答えてくれるでしょう。
「ne.jp」管理ネームサーバは、
「ippo.ne.jp」管理ネームサーバのアドレスを知っています。
そして、
「ippo.ne.jp」管理ネームサーバの「電話帳」には
「www.ippo.ne.jp」のIPアドレスが載っているのです。
これが、ネームサーバによるIPアドレス検索の基本的なシステムです。
このように階層化することで、
何千万というIPアドレスとドメイン名をネームサーバ達は管理しているのです。