管理者じゃない「担当者」

インターネットには管理者もいなければ、
他人の面倒を見てくれる責任者もいません。

だからといって、
全てが自由で無秩序なままで、一つの社会が成り立つものでしょうか?

実を言えば、
インターネットには管理者はいませんが、
ある特定の分野において強い影響力を持った「担当者」とでも呼ぶような組織は幾つか存在します。

彼らは基本的に非営利団体で、
インターネットがスムーズに発展できるように、
全体の意見を取り纏める役割を担っています。

例えば、
NICという組織はIPアドレスとドメイン名の管理を担当しています。

NICはIPアドレスやドメイン名に関して以外には、
何の責任も能力も持っていません。

また、厳密にはNICは何の強制力を持っているわけでもありません。

それでも、
インターネットのコンピュータはNICに登録して、
NICの規定にしたがってIPアドレスとドメイン名を貰っています。

NICの規定に従わないことは可能ですが、
そうすればインターネットの他のコンピュータに自分のアドレスを伝えることができなくなってしまうのですから。

だからこそ、NICは強い影響力を持っているのです。

……こんな影響力のある組織の幾つかを、簡単に紹介してみましょう。

・NIC

インターネットに接続されたコンピュータに、
IPアドレスとドメイン名を割り当てる組織。

アメリカのInterNICと
ヨーロッパのRIPE-NCC、
アジア・太平洋地域のAPNICを筆頭に、
各国の下部組織を持っています。(日本国内はJPNICが担当しています)

ここに登録しないと
インターネット上では「透明人間」と同じことで、
どのコンピュータとも話ができなくなってしまいます。

・IETF

インターネットで利用される技術の標準化を担当する組織。

この組織が、
「インターネットで○○をするための技術は、これでいきましょう」と決めるわけです。

もちろん逆らうのは自由ですが、たいてい孤立してしまいます。

・ISOC

インターネット関係者を集めて結成された、
インターネットの学会と業界団体とを兼ねたような組織。

NICやIETFもここの下部組織で、
インターネットの発展や関連技術の制定に尽力しています。

言ってみれば、一番「管理者」に近い位置にある組織でしょう。
(もちろん、厳密には「管理者」とはまるで違うのですが……どちらかと言えば、学級委員や生徒会の方が近いでしょうか)